昭和の終わりまだ「JR」が「国鉄」と呼ばれてた頃に友人に誘われてペンキ屋で働き始めました
この頃はまだ右も左も分からず、自分のやっている作業の目的もよく分かっていませんでした
1/1スケールのプラモデルに色を塗ってるんだと考えるようになったらなんとなく流れが分かりました
当時は外壁だけでなく屋内の据え付け家具等の家具調塗装の見習い等もやっていました
僕の曖昧な記憶ではこの頃の外壁塗装は8割以上が複層塗材の吹き付け塗装だったと思います
ラッカー系の塗料を主に使って水性塗料は主流ではなかったように記憶しています
外壁の上塗り塗料の種類はアクリル系が主で高耐久仕様がウレタン系でした
鉄部の塗料は合成樹脂系が主でした
屋根が陶器瓦や和瓦が多くあまり屋根塗装は無かったように思います。
約10年後2000年問題が世間を賑わせていた頃、勤めていたペンキ屋を辞めて独立することにしました
この頃の外壁塗装は吹き付け30%ローラー模様70%位だったように感じます
外壁の上塗りは80%位が水性塗料に移行していました
ローラー模様はアクリル系単層弾性、複層塗材の上塗りは水性ウレタン
鉄部の塗料は合成樹脂系が主でした
そして新築の戸建て住宅はサイディングボードが多くなってきていました
少しづつ屋根塗装をする家が増えてきました、水性のシリコン塗料が多かったように思います
さらに約10年後東日本大震災のあった頃、人生初の骨折で6か月以上仕事を休みました
この頃になると吹き付け塗装は年に1回あるかどうかという感じで、ほぼ全てローラー塗装になっていました
微弾性フィラーを使った下地にシリコン系単層弾性もしくは水性シリコンというのが多かったように思います
鉄部の塗料は1液型のウレタン塗料をよく使っていました
戸建ての塗り替えのサイディングボードの比率が上がってきたのもこの頃でした、それまであまり無かったコーキングの打ち替えが必要になって塗り替え費用が全体的に2割程度上昇しました
屋根塗装がほぼ標準仕様になってきました。水性や油性のシリコン塗料が屋根の種類によって使い分けするようになりました
そして現在に至る10年
流行と思われるような下地塗料は無くフィラーやシーラーなど適材適所というのが主流の考え方になっています
外壁塗装の仕上げは単層弾性はほとんど無くなり、ほぼ全てシリコン塗料になりました、ラジカル抑制型も結局はシリコン塗料です
その他光触媒等もありましたが主流にはなりませんでした
鉄部の塗料は2液型のウレタン塗料が主流です、2液型シリコン塗料もよく使われています
東日本大震災後、省エネや節電の機運が高まり屋根塗装は遮熱型の油性シリコン塗料が主流です
思い起こせば人生の2/3を塗装屋として過ごしてきました
その間色々ありました。建設屋さんが工事中に倒産したり、仲間数人とシンナー中毒で倒れたり
残りの仕事人生でどんな景色が見れるんですかね