「近所と仲が悪いと、損をする?」

10年トラブルのない職人が語る、足場とご近所付き合いの深い関係

突然ですが、みなさんはご近所さんと良い関係を築けていますか? 実は私、幸いなことにもう10年近く「ご近所同士の仲が悪いお宅」の塗装工事をしていません。

「いきなり何の話?」と思われるかもしれませんが、これ、工事をスムーズに進める上ではめちゃくちゃ重要なことなんです。

たとえば、こんな経験はありませんか? 休日に突然始まった道路工事。朝から晩まで響く機械音やエンジン音、通りにくくなった道、泥で汚れた道路……イライラも最高潮になりますよね。 でも、工事の人に直接文句を言いに行く人は少ないはずです。それはきっと、「自分たちが使う道や水道、ガスを一生懸命直してくれているんだ」と分かっているから。元々悪い感情がないからこそ、「短い期間だし協力しよう」と思えるのだと思います。

私は足場を組むような工事を始める前、必ずお隣の家へご挨拶と工事の説明に伺います。 実際に迷惑をかける立場ですし、何よりご近所さんとの「空気感」を知る大切な機会だからです。私は営業マンではないので上手に敬語が使えず「失礼になっていないかな……」と心配になることもあります。それでも、お隣の敷地をお借りする必要がある時などは、事情をしっかり説明し、もし無理であれば次善の策をご提案するようにしています。

だからこそ、ご近所同士の仲が悪い現場は本当に大変です。

過去には、ご近所の自治会から抗議の立て看板が立てられている新築現場で仕事をしたこともありました。職人には優しく接していただけましたが、紙くず1枚飛ばすだけでトラブルの燃料になりかねないため、尋常じゃない緊張感での作業となりました。 また、お隣との仲が悪すぎて足場が最小限しか立てられず、ロープとブルーシートで家を囲い、なるべく音を立てないように息を潜めて工事をしたこともあります。

もちろん、私たち施工側も近所の方々に悪い印象を与えないよう、徹底しています。

  • 現場での話し声は小さくする
  • 休憩中は地べたに直接座り込まない
  • 見える範囲だけでもきれいに整頓する
    これらは普段から意識して実践していることです。

他人同士が近くに住んでいる以上、全員と和気あいあい付き合うのは現代では難しいかもしれません。
でも、顔を合わせたら「ニコッ」と笑って軽く頭を下げる。それだけでも十分です。

もし将来、お隣さんが工事をすることになったら、足場や敷地の使用などにできる限り融通を利かせてあげてください。その思いやりは、将来ご自身の家を工事する時に、必ず自分に返ってきます。