和歌山・海沿いの家に住む人へ。「壁より先に家が悲鳴を上げている」話

山側に住んでいるみなさん、近いうちに主役として書きますので少しお待ちくださいね。

今回は「海が見える場所に住んでいる方」に向けたお話です。
和歌山市の海岸沿いは 工場と港湾施設が大きな面積を占めているので、一般の住宅地はそう大きな割合を占めている訳ではないですが加太、磯ノ浦、雑賀崎など民家が密集している地域が存在します

「海の近くは家(塗装)の劣化が早い」と、なんとなく気付いている方は多いと思います。ただ、実際僕たちが塗り替えの現場に行って「外壁だけ」を見ても、実は内陸の家とそこまで劇的な差があるわけではありません。

じゃあ、なぜ海の近くの家は劣化が早く感じるのか?

答えは簡単です。壁そのものよりも先に、家中のあらゆる「金属部品」が腐食して、塗り替えのサインをバンバン出しているからです。

1. エアコンの室外機の足が「ボロッ」と崩れる

内陸にお住まいの方はご存じないかもしれませんが、世の中には「耐塩害仕様」のエアコン室外機が存在します。それくらい海の近くはサビとの戦いです。 僕たちが塗り替えに行って、作業のために室外機をちょっと動かそうと手をかけたら……室外機の足がボロッと崩れ落ちるなんてことは、海沿いでは日常茶飯事です。

2. アルミは無事でも「ネジ」が消える

アルミサッシなどは比較的潮風に強いのですが、そのアルミ製品を固定している「ネジ」が鉄製だったりすると、綺麗にサビて消滅します。 よくあるのが、雨戸の戸袋のストッパーが朽ち果てて無くなっているケース。「最近、雨戸が固定できなくなったな?」と思ったら、ネジや部品が塩害で消えているサインです。

3. 屋根まで全滅。雨樋(あまどい)のバンド消失事件

案外盲点なのが雨樋です。雨樋のパイプ自体は塩化ビニールなのでサビませんが、それを壁に固定している「金属バンド」がやられます。 僕が経験した最高記録は、地面から屋根までの全てのバンドがサビて無くなり、パイプ自体の強度だけで奇跡的に立っていたお家です。雨樋に限らず、壁に固定されている配管類は同じようなトラブルがいくらでも起きています。

4. ひさしの穴あき×エアコンホースの罠


庇(ひさし)などが鋼板(鉄板)で作られていると、塩害で綺麗に穴が開きます。 さらに厄介なのが、その穴が開いた鋼板の真上をエアコンのホース(ドレンパイプ)が横切っているケース。長年、水と塩風に晒され続けて穴が開いているのに、住人さんはずーっと気付かない……なんてこともバシバシ起こります。

5. 【一番深刻】ALC(気泡コンクリート)壁の「爆裂」


そして一番怖いのが、軽量気泡コンクリート(ALC)の外壁です。 僕がこれまで塗り替えを手掛けた海沿いのALC住宅では、100%の確率で内部の鉄筋がサビて、壁の表面が内側から破壊される「爆裂(ばくれつ)」が起きていました。

ALCに限らず、鉄筋が入っているコンクリートの建物は、海の近くでは本当に気をつけないと内部からサビが進行します。厄介なことに、かなり重症化するまで表面の塗膜がペロッと剥がれず「ふくらむだけ」なので、専門家じゃないとほとんど気付けません。

「壁が綺麗だから大丈夫」が一番あやしい

脅すようなことばかり書いてしまいましたが、昭和〜平成に建てられた家が多い和歌山の沿岸部では、住人さんが気付かないうちにこれらの腐食が現在進行形で進んでいます。

「壁の見た目はまだ綺麗だし、まあ大丈夫だろう」と放置していると、ある日台風や強風が吹いたときに、上の方から外れた金属部品や樋が落ちてきて大変危険です。

ですが、安心してください。サビや壁のふくらみは、普段から注意深く見る癖さえつけておけば、プロじゃなくても発見できます。

まずは明日、お出かけする前に「家の正面(金属部分や配管のバンド)」をちょっとだけチェックする癖をつけてみてください。「あれ?」と思ったら、いつでも気軽に相談してくださいね。