最近、車を走らせていてふと思うことがあります。
和歌山市の本町やぶらくり丁周辺、昔と比べて「えらい見通しが良くなったな」と思いませんか? 古い建物がどんどん壊されてコインパーキングになり、昔の賑やかだった街並みを知っている身としては、なんとも言えない変な気持ちになります。
我が家を買ったのは、バブルが崩壊して土地の値段が落ち始めた頃のこと。当時まだ20代半ばだった僕が、結婚と同時に家を買うというなかなかの暴挙に出ました。
第一候補は、ギリギリ和歌山市と呼べる田舎の広い土地+新築(約2800万円)。 第二候補は、和歌山市中心部の狭い土地+築13年の中古(約2100万円→交渉で1900万円)。
田舎は不便だし実家も遠い。なによりビルトインガレージに一目惚れして、今の家(第二候補)に決めました。 あれから33年。我が家は現在【築46年】になります。
「どんな人が来るんやろ」と心配された20代
引っ越してくるとき、親から「向こう三軒両隣、ちゃんと挨拶して付き合っていけよ」と言われ、挨拶回りに行きました。
すると近所のおっちゃんおばちゃんたちが口を揃えて、 「どんな人が引っ越してくるんか心配しとったんや。若い人で良かった!」 と温かく迎えてくれました。
当時は面倒くささ半分、「家を買うってこういうことか」という諦め半分でしたが、あれから30年以上が経ちました。
「最近〇〇さん見かけへんな」 「あの犬と散歩してたおばちゃん、最近会わんようになったな」 「あ、××さんの家に救急車止まってる……」
気付けば近所には無人の家が増え、僕自身も当時の近所のおっちゃんたちの年齢を超えました。今では、当時のご近所さんの気持ちがなんとなく分かるようになってきました。
昭和終わりの「フツーの家」は、どうなっていくのか
我が家と同じ時期に建ったであろう近所の家は、木造モルタルで、内装は化粧ベニヤや土壁。断熱材なんて入っていません。
今流行りの「古民家」みたいな風情があるわけでもない、昭和末期〜平成初期の「ただただ古い家」です。新築の分譲地が増え、人口が減っていく和歌山で、こういう家が売りに出ても欲しがる人は正直少ないかもしれません。
だからといって、仕事柄車を運転していると、手入れされずに放置された空き家を見るたびに「うわぁ、もったいないな」と思ってしまうんです。
要らないから放置しているのかもしれませんが、外壁が剥がれたり、屋根のスレートが一部飛んで無くなっていたり……。台風や強風の日にそういう破片が飛んでいって、近所の人にケガをさせたり車を傷つけたりしたら大変です。
50年住んで分かった、日本の木の家の凄さ
「空き家だから放置でいいや」と思われがちですが、日本の家の構造材(木)って、雨の侵入さえ防いでおけば、驚くほど長持ちします。
現に、ボロボロと言われそうな我が家(築46年)だって、僕の手入れと塗り替えのおかげで50年近く何の問題もなく住み続けられています。
「売る予定はない」「誰も住んでいない」という実家等の空き家でも、屋根や壁からの雨漏りさえ防いでおけば、資産としても、ご近所への防犯・防災としても、家はしっかり踏ん張ってくれます。
壊すのにも数百万円かかる時代です。諦めて野ざらしにする前に、まずは雨漏りさせない・部品を飛ばさないための最低限のメンテナンス(補修や塗装)だけはしてあげてほしいな、と街のペンキ屋として切に思います。
……と、空き家の話をしてたら、最後はやっぱり塗装の話になっちゃいましたね(笑)。


