相見積もりの落とし穴

ちなみになんですが、僕はネットで買い物するときに死物狂いで1円単位で安い店を探して買うタイプです
同じスペックなら訳のわからない中華の商品でも選択肢に入れます
ただ物の値段というものには最低ラインというのが存在して、ある程度以下はほぼ同じ値段になるというのも理解しています

そして重要なポイントとして
「同じ性能の物はメーカーが違っても同じような値段に落ち着く」
という不文律です
これは車でもパソコンでも世の中のあらゆる物がこの法則に従って値段が決まっています
元になる部品の値段や組み立て工程数などがどのメーカーでもほとんど変わらないからです

予算10万円でパソコンを買おうと思ったら、新品でも中古でも綺麗な外観の物ならほぼ性能スペックは変わりません
パソコンは古くなっても経年劣化する部品が少ないので、性能の値段がダイレクトに反映されます

夢も希望も無い話ですが世の中には安くて高性能というものは存在しません。安さにはなんらかの理由があって、それを許容出来るかどうかという話なのです。​

分かりやすい例で書きましたが、ネットで形の有る商品を買うのなら、これで良いんです
性能も固定されて既に分かっているし、外観も既に決まったものだから

複数社の相見積もり
当然するべきです、こうすることでぼったくりの被害も防げますし
そもそも相場というのが分からない一般の人からすれば相場を知る最終手段です

ただ相見積もりと言われた段階で業者はいくつかのパターンに分かれます
高くなる店
いつも通り
安くなる店

高くなるというのも僕は理解できます、「相見積もりで競争しないといけないの面倒くさい、仕事取れなくても良いから高い目に書いておこう、もし取れたらとれたで儲かるし」位の感覚です。

僕はいつも通りです、バレることは無いんですがいつもと値段を変えるのはなんか恥ずかしいです

安くなるというのも理解はできます、他の業者はこの位だからもう少し安めにしておこうとか、みんな仕事を取るのに必死なのです

と、ここまでは正常な相見積もり

みなさん、「A社さんは○○万円だった」とか他の店の営業さんに言ってないですか?
他にも「他社さんの見積もり見せてもらったら、それより安くします」とか言われてませんか?
「他よりも20万くらい安いんだけど、めっちゃ得した」とか思ってませんか?

これは結構危ういです。
他のコラムでも書きましたが、僕らの仕事の内容は既に決まっています。
1㎡の壁に使う材料の量も決まっています
会社によって1日ごとの経費の金額も決まっています

青い部分が利益と経費、リフォーム屋さんや工事内容にもよりますが内訳はこんなもんだろうと思います、これを

見積もり段階でこんな風にしてしまうという事がどういう事か分かるでしょうか

正直な話、どの業種の人でも自分の店が損をする取引はしません
足場を組むのに○○万円掛かると言ったら足場の材料費と人件費と運搬費が決まっているので、安くする方法は一部を組まないというやり方しかないのです
コーキングを安くしようと思ったら撤去をしない等の本来はする工程をしない方法しかないんです
塗装を安くしようと思ったら塗り回数を減らすとか塗る量を減らすとかの手抜きしかないんです

僕の知ってる範囲では、ハウスメーカーの新築の塗装をiPhone のミドルクラス位の値段でやってた人や
リフォーム専門店の下請けで塗り替えを家一軒でiPhoneの上級モデル位の値段で請け負ってる人なんかもいます
プロが塗ってるので出来上がりは綺麗ですし素人の方には見分けられません、ただそんな金額で正常な仕上げは不可能ですし多分性能も出ていません
どちらもわりと皆さんが知ってる目立つ会社なんですが、おそらくお客さんからは安い目の普通の金額をもらっています、
作業を行う人と同様に仕事をとってきた営業を行う会社も、自社で掛かる経費を安くする方法が無いので、そうなると誰かがこの負債を背負わないといけないのです
この場合塗装の性能に係わってくるので、負債はお客さんが被ることになります

安い材料を使えば安くなるのか?下塗りに使う材料がどれもほぼ同じ価格なので上塗りの高い材料と安い材料と価格差が2倍だったとしても全体の工事費からすると10%程度しか変わりません、既に計算し尽くされた世界なのです

現場にかかわっている人全ての人件費を半額くらいにすれば25%程度の削減になると思いますが
そうなると全員ファストフードの深夜アルバイト位の給料になってしまいます。
そんなアルバイトレベルの人に自分の家の工事を任せられますか?

安さが利益の範囲内で収まっているのなら問題は無いのですが、それを超えると仕上げの品質にかかわると思って間違いないです

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