塗装のお話

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塗装のお話

まあ多分他の塗装屋さんのHPじゃ真っ先にこの話題を書くんでしょうが
ひねくれ者の僕はこのタイミングです。実際の塗り替え風景なんかも交えて気楽に見てください

みなさんペンキ屋ってどんなイメージでしょうかね?
僕は実際にペンキ屋の仕事を始めるまで
「つなぎの作業服を着て、脚立に乗って、刷毛で看板に絵を描いてる仕事」
って思ってました
「壁を塗る」って聞いて、壁紙を張る仕事かな?なんて思いました

そして実際に現場に行くと、テープとナイロンシートを渡され養生(マスキング)しろって言われて、何が何だか理解も出来なかった記憶があります

身も蓋もない話ですが、実はローラーや刷毛で塗る事自体はあまりテクニックなんかは無いのです、実際に素人の人がDIYで比較的綺麗に塗っています
プロと素人の決定的な違いが何か?そういうのを書きたいと思います

最大の違いは養生(マスキング)の量と質です

僕らは「そこまで必要?」って思われるくらいにあらゆる物を養生します
実際ナイロン自体はそれほど汚れないので、テープだけでも大丈夫とか思われそうですが、

余計な場所は絶対に塗装で汚さない

これが素人とプロの差です。
よくブロック塀とか地面なんかに何かを缶スプレーで色を塗った痕跡残ってる事ないですか?
養生しないでスプレーするなんていう事は僕たちは絶対にしません。
塗り替えに行ったお家で窓のサッシ等が極端に汚れていたら、自分たちで塗ったんだろうなって直ぐに分かります

ローラーや刷毛の扱い方

DIYで色を塗る人って、ローラーをゴシゴシ押し付けて色がかすれるまで塗料を塗り伸ばしますよね
プロは塗料がかすれる前に新たに塗料をつけます。
大体の目安で1m×1mの壁に100g(紙コップ半分)程度をのせるようにしています

適量な塗布量だと下地との色の差がこの位でもこんな感じで色が付いて行きます

そして同じ位の塗布量で2回目を塗って仕上げていきます
素人の人は塗った個所に色が付きさえすれば満足してしまって、たとえ2回塗りしても僕らほどの塗膜にはなってないです

下塗り

「何回塗りですか?」と聞かれたら、僕らはこの下塗り工程も含めた塗り回数を答えます
塗装の世界は割と繊細で、「○○と◇◇は引っ付き難い」っていう事がよくあります。
古い塗装表面は変質してしまっているので、付かないことは無いんですが、通常の塗料の付着性があまり良くないです
そこで写真のような透明の接着剤のような塗料を塗ります。
こういうのもあまり素人の人は使わないですよね

塗膜防水

ほぼ番外編です。素人の人が手を出すわけない分野です
これはアクリルゴム塗膜防水と言って、外壁に対して行う防水工事です
上の方で塗装は1m四方で紙コップ半分程度と書きましたが、これはその約10倍の1Kgを塗ります
そして同じ厚みでさらにもう1回塗って計2Kg、仕様によっては3回塗りの2.7Kgを塗ることになります
単純に塗るだけではなくって、隙間なくあらゆる箇所に塗膜が付いている必要があるのでわりと時間がかかります。
使っているローラーは砂骨材ローラー(マスチックローラー)って呼ばれるものです
動画の音をよく聞いてもらえば「ミチミチ」って感じの音がなってるのが分かると思います。その位の粘度の塗料を塗っているという事です

家1件を塗るのに一斗缶で15~20缶位必要でなかなかの大工事になります

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駆け足でしたがペンキ屋の仕事でした
とはいえ素人と言っても最近はYoutubeなんかのDIY動画を見て、プロと同じような工程で自分で塗ってる方も多いです
出来上がってしまえば同じような見た目になるので、せめて僕らは塗膜の性能だけはプロ仕様になるようにこれからもやっていきます

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