梅雨に入る頃、塗り替え工事を始めたお宅の玄関にツバメが巣を作りました。親ツバメが留守の隙にカメラで中を覗いてみると、なんと雛が生まれたばかり! 
「生まれちゃったなら仕方がない」ということで、巣はそのまま残し、彼らが巣立った後にその部分を塗り直すことにしました。先日、近くを通ったので見に行くと、すでに雛の姿はなく、どうやら巣立ちの練習中だったようです。
今年はエルニーニョの影響で冷夏になるかもしれないと言われていますが、それでも日陰で体温並みの暑さの中、作業をする現場作業員にとっては厳しい季節に変わりありません。
そんな工事関係者が暑さを乗り切るための必須アイテムといえば、上半身が風船のように膨らむ「空調服」です。

(空調服のメーカーから写真転載です)
実は僕、この空調服に関しては「和歌山のペンキ屋の中で一番最初に買った男」ではないかと勝手に思っています。確証はありませんが、20年以上前に発売され、WBS(ワールドビジネスサテライト)などのテレビ番組で取り上げられてすぐに購入したからです。当時は作業服としてはかなり高価で、すぐにペンキで汚して使い捨てにするペンキ屋には、なかなか手が出ない代物でした。確か、初期のバッテリーは単三電池だった記憶があります。
今や現場では、ほぼ全員が着用するメジャーな存在になりましたが、みなさん不思議に思いませんか?
「わざわざ暑い時にもう1枚ジャケットを羽織り、生ぬるい風を浴びて、本当に涼しいのか?」
実は、そこまで劇的な冷却性能があるわけではありません。 ただ、未着用なら全身汗でボトボトになるような環境でも、空調服を着ていれば中の服はほとんど乾いたままになります。これこそが空調服最大のメリットであり、僕が20年前にテレビを見て即決したポイントです。
お風呂上がりに扇風機の前に立つと、体がキンキンに冷えますよね。空調服の原理もそれと同じ。「体の表面の汗を風で気化させ、気化熱を奪うことで涼しくする」というメカニズムです。
実はこの「汗で体の熱を奪う」というのは、私たち人間が本来持っている体温調整機能そのものの原理でもあります。空調服は、人間が自力で行っている涼しくなるための仕組みを、ファンの風で100%手助けしているだけなのです。
そのため、体が乾くと熱が奪えなくなって暑くなり、また汗をかく。そしてその汗が気化する……という人間の自然なサイクルに寄り添って機能します。キンキンに冷えるわけではないものの、「ずっと我慢できる程度の温度」を維持してくれるのはこのためです。
この仕組みだからこそ、あまりに強すぎる爆風ファンをつけても、汗が一瞬で乾いてしまって意味がありません。人間の発汗ペースに合わせて効率よく気化させることこそが、本当の正解というわけです。
最近では、背負ったパックの水を氷で冷やし、チューブで全身に循環させる「水冷服」や、ペルチェ素子(電気で冷たくなるプレート)を使ったベストなども登場しています。これらは一時的に急激に冷やすのは得意ですが、1日中使い続けるにはまだ課題があります。
しかし、かつては奇抜に見えた空調服が今や当たり前になったように、これらのアイデアも5年後、10年後には現場のスタンダードになっているのかもしれませんね。
ちなみに言っときますが宣伝じゃないです、好きなの買ってください









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