今回は、直接請け負った仕事ではないのですが、塗装業界としては割とオーソドックス、でも一般の方には少し珍しいかもしれないお仕事をご紹介します。
それがこちら、受水槽(給水タンク)の塗装です。

少し大きめの建物やアパートの屋上などで、見たことがある方も多いのではないでしょうか? ステンレス製や丸いものなど、形や材質は様々ですが、今回塗装したのはFRP製です。
FRPとは「Fiber Reinforced Plastics」の頭文字をとった言葉で、和名は「繊維強化プラスチック」。細いガラス繊維をポリエステル樹脂などで固めたものです。
「海洋ごみ問題でプラスチックは長期間劣化しない」なんて言われますが、正直なところ、太陽光(紫外線)を浴びる屋外でのプラスチック樹脂自体の劣化は、結構早いです。皆さんも、屋外に置いていたプラスチック製品が数年で脆くなり、パリパリに壊れてしまった経験があると思います。受水槽も同様で、メンテナンスが必要です。
さて、作業工程を見ていきましょう。
1. 高圧洗浄
まずは高圧洗浄からスタートします。基本的には野ざらしの状態なので、コケが生えています。また、表面の樹脂が劣化してガラス繊維が見えてしまっているため、その劣化した樹脂層もしっかりと洗い流します。


実はこの時、劣化した樹脂と一緒に、目に見えにくい細かいガラス繊維も飛び散ります。この繊維、割としっかりしているので、皮膚に刺さると痛いですし、吸い込むと喉がやられます……。職人としては、注意が必要な工程です。
2. 下塗り
翌日、しっかり乾燥させてから下塗りをします。 ここで使う塗料は、少し特殊です。各社から同様の製品が出ていますが、共通しているのはその「色」。

なんと、黒色なんです! これは、太陽光を遮断して、タンク内部に藻が発生するのを止める(光合成ができないようにする)という、重要な目的があります。
3. 上塗り(2回)
そして最後に、上塗りを2回塗って仕上げます。 実は、今まで何となく「受水槽といえばアイボリー」と思っていましたが、この上塗りの色は、好きな色を選べるんです!
今回の施工例のように、受水槽として一般的な色で仕上げるのも良いですが……

もしオーナー様がミリタリー好きなら、こんな風に迷彩柄に塗ることも可能です。

あるいは、某巨大ロボットが好きなら…… 「そっち(敵側)じゃねーよ!」という方は、こちら(味方側)のカラーはいかがでしょうか?


私の実家の近所には、屋上にミニオンの給水タンクが載っているマンションがあります(笑)。 家自体を派手な色にするのは気が引けても、屋上のタンクくらいは、もっと自由に、遊び心があってもいいんじゃないかと思います。
(※ちなみに僕は絵が壊滅的に描けないので、複雑なイラスト塗装のご注文はご遠慮ください。キリンを描いても犬か馬か判別不能になるレベルです……!)



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