「一番長持ちする塗料で!」←これ、実は損するかもしれません。
【塗料の寿命 vs 建物の汚れ】
「せっかく高いお金を払うんだから、一番長持ちするやつを塗って!」 よく言われますし、その気持ちは痛いほど分かります。 でも、ちょっと考えてみてください。皆さんが塗り替えを決意した理由は何でしたか?
「塗膜が化学分解して防水性が切れたから」という人は稀です。 大抵は**「なんか見た目が汚くなってきた」「コーキングが割れている」「もう20年経つし不安」**といった理由ではないでしょうか。 実は、ここが重要なポイントです。
【塗り替え20年後の我が家(実験台)の話】
僕の家は、日韓ワールドカップの前年(2001年頃)に関西ペイントの「コスモシリコン」という塗料で塗り替えました。 あれから20年以上。最近、次の塗り替えの色見本として1階部分だけ試し塗り(しっくりこないんでやり直し)をしたんですが。 旧塗膜(シリコン)は、艶こそ落ちていましたが、塗膜自体はまだ生きていました。 とりあえず「シリコン塗料でも、条件が良ければ20年持つ」ということが証明されました。
一方で、他の部分は限界こえてました。
- 雨戸(合成樹脂塗料): 2年で退色が始まり、10年で寿命を迎えボロボロ。
- 屋根(北面): 日が当たらないので塗膜は残っていましたが、コケが生えて見た目が悪い。
- その他: 蜘蛛の巣、ホコリ汚れ、プラスチック部品の劣化。
【「バランス」が崩れると無駄になる】
ここで最初の話に戻ります。 もし、僕の家の壁に「30年持つ超高級塗料」を塗っていたらどうなっていたでしょうか? 壁の塗料だけはピカピカに残ります。でも、コーキングは10年で割れ、雨戸は色あせ、コケや汚れで薄汚れていく……。
結局、「壁の塗料以外」の理由で15年〜20年後には足場を組んで工事をしたくなります。 そうなると、まだ寿命が残っている高い塗料代が無駄になってしまいますよね。
【結論:最強のコスパ設定】
塗料だけが生き残っても意味がありません。家全体の劣化スピードに合わせるのがプロの提案です。 僕の経験上、以下の組み合わせが一番無駄がなく、コストパフォーマンスが良いです。
- 屋根・外壁: シリコン塗料
- 付帯部: 2液ウレタン(シリコン)塗料
これで十分、次の塗り替えまで持ちます。
【余談:セラミックの嘘とピラミッド】
最後に、少し注意喚起を。 「セラミックだから100年持ちます」なんていうセールス、聞いたことありませんか?(最近は減りましたが)。 あれ、石調の「吹き付け材」のことなんですが、確かに含まれている「陶器の粉」自体は100年持ちます。でも、その陶器の粉を壁にくっつけている「接着剤(樹脂)」はアクリル製なので、10年程度で寿命が来ます。
僕はよくお客様にこう言います。 「石で作ったピラミッドですら壊れていくんです。永遠に持つ都合の良い塗料なんて存在しません」
どんな物にも寿命はあります。魔法のような言葉に惑わされず、適切な時期に適切な手当てをしてあげてください。


