【合格率50%の壁】
僕が持っている「一級塗装技能士」と「一級防水施工技能士」。 これ、実は結構難しいんです。
合格率は半分以下。しかも受験するには7年以上の下積みが必要です。
試験では、板に鉛筆で図面を引き、塗料を調合し、ミリ単位の精度で仕上げる……まさに「職人の総合力」が試されます。
普段はお客様に見せることもない資格ですが、自分の技術が国に認められたという事実は、職人としての密かな自信になっています。

【合格率90%の戒め】
一方で、「有機溶剤作業主任者」という資格もあります。 こっちは2日の講習でほぼ誰でも取れます。
でも、僕らにとって大事なのはこっちかもしれません。
「慣れ」が一番怖い。危険なシンナーを扱っているという緊張感を忘れないための、大切なお守りです。

【資格を取るのをやめて、AIを使うことにした話】
こういう国家資格(技能士など)とは別ですが、まだ世の中にAIなんて影も形もなかった頃、「カラーコーディネーターの勉強でもしようかな」と漠然と考えていた時期がありました。

塗り替えを検討されているお客様から、よくこんな質問をいただくからです。
「プロの目から見て、どんな色にしたら良いと思う?」

もちろん、長年の経験から「この家の形や雰囲気なら、この色が似合うな」という感覚(勘)はあります。 ですが、「なぜその色なのか」を理論的に説明しようとすると、これがなかなか難しい。だから資格を取って理論を学ぼうとしたわけです。

ただ、時代は変わりました。今は私の頭で必死に記憶しなくても、もっと優秀な頭脳がポケットに入っています。「AI」の登場です。

試しに、AIにこんな質問を投げてみました。 「カラーコーディネーターの資格を持っていると仮定して、上半分が濃いピンク色の時の下側の色の選び方はどうする?」

実際にChatGPTに聞くと、補色・類似色・トーンオントーンなど、色彩理論に基づいた完璧な回答が秒で返ってきます。 これ、人間が太刀打ちできるレベルじゃありません(笑)。

【未来の職人はどうなる?】 知識や理論は、AIの方が優秀な時代が来ました。 「じゃあ人間は要らないの?」といったら、逆です。 AIが考えた素晴らしい配色や工程を、実際の壁に塗るのは、結局「人間の手」しかありません。

理論はAIに任せて、人間はひたすら「塗る技術」を研ぎ澄ます。 将来は、資格の多さよりも「純粋な作業員としての腕」だけが評価される、そんなシンプルで厳しい(でも面白い)時代になる気がしています。

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