1. 「駐車場1台分」は計算できない?
「車1台停められる位の駐車場の床、塗るのにいくら掛かる?」 これ、面積が決まっているので即答できそうですよね。でも、実は即答できません。いや、しない方が誠実なんです。

その理由は、塗料メーカーの「設計価格表」を見ると分かります。 例えば関西ペイントの床用塗料(カンペフロアー400・600等)の設計価格を見ると、1㎡あたり約3,500円と書かれています。 「お、安いじゃん」と思いますよね。でも、そのページの端っこに小さな文字でこう書かれています。
『注1) 施工面積300㎡以上を基準とします』
つまり、学校の体育館や工場の床レベルの広さがないと、この単価にはならないということです。 駐車場の枠は大きくても18㎡(3m×6m)程度。これを設計単価通り計算すると63,000円ですが、これでは職人の日当どころか材料費すら賄えません。 「単価×面積」という計算式は、ある程度の規模がないと成立しないのです。
2. 塗装職人流・どんぶり勘定のロジック
ネガティブな話ばかりでも仕方がないので、ここからは**「どうすれば実際の見積もりに近い金額が出せるか」**、概算ロジック(計算式)を考えてみました。
正確な面積は図面とか現地での実測でないと出ませんが、日本の家は大体似たような比率をしています。 そこから導き出した「係数」を使います。
- 外壁の面積 ≒ 延べ床面積 × 1.3
- 足場の面積 ≒ 外壁面積 × 1.5
- 屋根の面積 ≒ 1階の床面積 × 1.5(2階建てと仮定)
- コーキング ≒ 一律 300m と仮定(平均値)
3. 実際の計算例(40坪・延べ床132㎡の場合)
このロジックで、40坪(約132㎡)の家を、ちょっと高めの単価設定で計算してみます。
- 塗装費用: 171㎡(外壁)× 2,600円 + 99㎡(屋根)× 2,600円 ≒ 70万円
- 付帯部・天井: 概算で 20万円
- 足場代: 257㎡ × 1,000円 ≒ 26万円
- コーキング打替: 300m × 800円 ≒ 24万円
- 諸経費: 洗浄や残材処理など 10万円
合計:約 150万円
経験上、この規模の家ならもう少し安く収まる気もしますが、誰の家でも通じる「雑な計算式」だと、これくらいの安全マージンを取った金額になります。 誤差±20%以内には収まっているはずです。
4. 簡易見積もりシミュレーター
上記のロジックを組み込んだ計算機(スクリプト)を作ってみました。 床面積(㎡)を入力するか、ボタンで増減させてみてください。 ※あくまで目安です!
5. 結論としての「相場感」
計算機の結果はどうでしたか? あくまで僕の肌感覚ですが、普段現場のご近所さんに立ち話で聞かれた時はいつもこう答えています。
「今はどんな家でも、最低100万円位は掛かりますよ」 「でも、普通の家で200万円を超える見積もりはあまり見たことが無いですね」
家の大きさや塗料のグレードにもよりますが、大体この**「100万〜200万の間」**に収まるのが、僕の中での正常な相場感です。 このシミュレーターで出た数字を持って、「これくらいじゃないの?」と相談してくれれば、話が早いかもしれません(笑)。


